卒業写真

 

大学生が終わって2年くらい経った今、ようやく大学生活はすごく楽しかったなと思った。初めて何かを「楽しかった」で締め括ることができた。勝手に1つのレコードが仕上がったみたいな感じ。レコードには1つ、名前が付けられる。その名前は変えられない。だから、楽しかった、のままだ。別に嫌だったことや辛かったことを全部忘れたわけじゃない。むしろ覚えてる。でも、嫌だったら辛かったりしたことの原因の張本人達(自分含め)が干からびるくらいに多くを吸収して、そのほとんど許すことができるだけ、贅沢になった。今じゃ良い調味料だったくらいにしか思ってないわよ。

 

根がネガティブなので、高確率でバッドエンドを想像する。今が楽しくてもどうせ続かないから、そんな風に思ってしまう。でも、大学生活が楽しかったとようやく言えるようになった今は、楽しい、幸せならば、せめてその気持ちだけでも、共有してくれた相手に精一杯例えダサくても思うままの言葉で伝えようと努めるようになった。綺麗な思い出になってから伝えても、もう遅いから。そんなものレコードのスリーブにしかならないんだから。己の不器用さに振り回されて、周り道をし過ぎたから、今度はそんな思いをしないように。自分は不器用で、出来ないことがたくさんあるということを、ようやく真っ向から認められるようになったからかしら。

 

...それにしても随分と図々しくなったことね。

恐ろしや。

 

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