血尿と家族

 

鮮やかな赤の血尿を出した時、深夜1時近く、賃貸のせっまいトイレの中で人生で初めて「死ぬ」と思った。明確に死を意識したのは初めてで、怖くて泣いた。次の日はおじいちゃんのお墓参りに行く予定だったけど、母に行けない旨を連絡して、「だけど大丈夫」と言った。翌朝、病院に行った後大したことじゃなかったと分かった。でも、大丈夫と言ったのに父母妹家族全員が家に来て、たくさん食料やら水やらを持ってきて、母が、買ってきてくれたインスタントの牛丼を作ってくれてスイカも切ってくれて、食べた。「行く」と言って行かない、というのはすごく悲しいことなのでおばあちゃんのことが頭の片隅で心配だった。

 

でも、とにかく本当にすごい嬉しかった。大丈夫と言ったのに正直あんまり大丈夫じゃなかったから、来てくれてすごく嬉しかった。嬉しくてシャワーを浴びながら大泣きしてしまった。でも嬉しくて泣いたというのは半分嘘で、父母は私より先に死んでしまうということを突然思って勝手に寂しくなるというのと、こんなに大事にしてくれる人はいないと思うという悲観で泣いた。(家族じゃなかったら、ないよね)こんなに自己犠牲を払ってまで自分を気にかけて大事にしてくれる人はこれから現れるんだろうか???また、私はそれを人にできるんだろうか???出来なかった心当たりがいくつも思い当たる。分からないからまた泣いている。3時、まだ涙と鼻水が止まらない。とりあえず、多分まだ言えてないから、ありがとう、嬉しかった、と家族に伝えようと思う。