re:ラブコメディは絆創膏

昨日、やっぱりそうだなと思った。何がって訳じゃないけど、いっぱいいっぱいになって何となくツラい、そんな毎日を頑張って生きている中で、心にぽっかり穴が空いたりする。でも私は大人なので、泣いたりしない。でも、心はとっくに大泣きしてる。好きな音楽なんて聴こうもんならほんとに泣いちゃう。そんな時に、どうでもいいラブコメディを観る。

 

決まって主人公は綺麗なのに意地っ張りで付き合うこともままならないまま婚期を逃し続けていて、突然時が止まって風が吹いて、素敵な相手が現れるが、最初はなぜかすごい嫌い。2話くらいまで意地っ張りなので素直になれなくて、なんか3話くらいで素が出て付き合って、4話で突然元カノなどが登場して傷心して、「ちょっと距離を置こう」なんて言われて泣きまくってたけど、そう全部タイミング!私は今を生きてる!過去なんか怖くない!友人の助けにより"最強無双モード"になった主人公は、最終話で結婚する。ひどい時だと登場人物の全員がそれぞれに結ばれたりする。最終回残り15分まで大喧嘩してたって、大丈夫。何故だかわからないけどあいつらは絶対に仲直りする。私調べによると、どうせ大体こうだ。なんてピースフルな世界。

 

でも、とにかくみんな寂しくて、誰かに寄りかかっていたいところ、自分を偽らずにいられるとき、幸せになるところ。解決の道を開くのはいつだって時間と友達なところ。でも最後は自分次第なところ。くだらないながらも、これは真理なのだと思わせられる。「重いかな?」とか言ってる時は、もはや自制が効かなくなっているので、あっという間に右側が埋まったトーク画面、消したはずの記憶の遠くにうっすら見える。とうとう溜まりに溜まった本音が爆発した時には、大体が修復不可能になってる。またやっちゃった。友達の声が聞こえる、「だから言ったじゃん。」みんなずっと最終回でいられたら良いのにね。いや、そんなのあり得ないか。色んな人の色んなストーリーが、毎日終わったり始まったりする訳だから。 

 

ブコメディの世界は、素直な自分をさらけ出せた時、みんな幸せになる。そんな、フィクションなようで実にリアルな予定調和が、終わりの見えない謎の苦しみから一時的に自分を解放してくれる。昔は一丁前にくだらないと思っていたが、くだらないから良いんじゃないか。ネガティブ思考という名の自傷行為を止めることで、傷が治ることもある。

 

画面越しに観る自分が1人でいることも気が付かないくらい、「気になる相手とご飯を食べたり尾行したりそれによって泣いたりしても20:56って何?体感1:00なんだけど!」 とかヤジを飛ばす。ふと携帯を見ると現実世界はもう3:00だったりする。私の中の主人公はこう呟く。「はぁ〜〜〜、明日も頑張るかぁ。」