News from no where

 

お元気ですか。

私はもうすっかりこちらでの生活にも慣れて、元気にやっています。

 

今日も気まぐれで散歩をしました。道の途中の看板の自家製ケーキという文字に惹かれて名前も知らない喫茶店に入りました。古い階段を登って薄暗い店内に入ると真ん中にポツンと公衆電話ボックスがあります。客は1人もいません。おじさんとおばさんが、私のためだけにチーズケーキとアップルティーを出しました。入った時にはジャズが流れていたのに気が付いたらいつの間にか大音量のクラッシックに変わっていました。

 

家で白い天井を見つめながら窓の外で草むしりをするオジサンの声を聞いていた時よりもなんだかドッシリ、ドッシリと時間が経つ気がします。全国に「タイム」という喫茶店は何軒あるのでしょうか。

 

見たこともない「タイム」のことを考えていたらいつの間にか大音量のクラッシックは終わって楽しげなジャズに戻っていたしマスターがお金を数え始めたのでそろそろ店を出ようと思います。外に出たらいつの間にか空が暗くなっていました。

 

一体今は何時でここはどこなのか。そんなことは大した問題ではありません。ここでは、こちらが気にならない限り、何時でもない時間、どこでもない場所が存在します。

 

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