1997年

 

優しいウソ?鼻で笑っちゃうわ。「知りたくなかった」と思ったこともないし、ましてやそんなもので守られたこともない。どんなに自分を誇大に見せようとて無理な延命治療みたいなもんよ。あのさぁ気付いてる?もうとっくに死んでるって。でも、私がトマスモアやウィリアムモリスやジョージオーウェルだったとしても「ウソのない世界」は書かない。欲にまみれた隔離されて住んでいるプロールみたいに描写する必要なんかない、なぜなら1人1人はプロールでもあるから。1997年にオギャーと生まれてからこの方ウソはいけませんよとしつこく言われて育っていながらに大小たくさんの色とりどりのウソをついてきたから分かる。闇は光の母だとか光は闇の母だとか谷崎潤一郎が陰翳礼讃だとかうんたらかんたらもういっそこの話もぜーんぶ明日には大ウソかもしれないしね。

 

f:id:sha_dats:20200702223334j:image